生物はDNAからなる遺伝子を元に生命活動を行っています。五炭糖とリン酸と塩基で構成される分子をヌクレオチドと呼び、ヌクレオチドが連結しDNAが構成されます。DNAには塩基の異なる4種類があり、このたった種類の並び方や数の違いが生物を特徴付けています。DNAは二重らせん構造を取りますが、お互い対をなす塩基が決まっており、アデニンに対してチミン、シトシンに対してグアニンが結合しています。そのDNAのうち、生物の形質を現す元となる情報の部分が遺伝子です。
なお、一部のウイルスはDNAではなくRNAを遺伝情報としています。
1952年にアルフレッド・ハーシーとマーサ・チェイスがバクテリオファージを用いた実験で遺伝子の本体がDNAであることを示しました。また、1953年にはジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックがX線回折をヒントにDNAは二重らせん構造を取っていることを解明しました。